「体は食べるもので作られる」という言葉の通り、日々の食事から摂る栄養素は、私たちの健康を維持する上で欠かせません。特に、疲れやすさや体の不調、慢性的な痛みなどの症状は、特定のビタミン不足が関わっている可能性があります。
今回は、体のエネルギー代謝や神経機能、そして皮膚や粘膜の健康維持に重要な役割を果たす2つのビタミンに焦点を当ててご紹介します。
疲労回復の鍵!ビタミンB1の働きと不足のサイン
「疲労回復ビタミン」とも呼ばれるビタミンB1(チアミン)は、私たちが活動するためのエネルギーを生み出す上で非常に大切な役割を担っています。
■ビタミンB1の主な働き
- エネルギー代謝の補酵素
小腸で吸収された後、肝臓に運ばれ、エネルギー源であるATPの補酵素として働きます。特に、ご飯やパンなどの糖質がエネルギーに変わる代謝作用(糖代謝)に不可欠です。 - 神経・筋肉の機能維持
糖質を主要なエネルギー源とする脳や神経、筋肉が正常に働くのを助けます。 - 疲労物質の代謝作用
筋肉疲労の原因となる物質の代謝にも関わり、疲労回復をサポートします。
■不足すると起こりやすい症状
ビタミンB1が慢性的に不足すると、エネルギー不足や神経機能の低下から、以下のような症状が現れやすくなります。
- 疲労・倦怠感
糖質が効率よくエネルギーに変換されず、全身のだるさや疲れやすさにつながります。 - 神経症状
手足のしびれやむくみ、反射神経の異常など、末梢神経障害(重度になると脚気につながることもあります) - 筋肉の不調
肩こりや腰痛、眼精疲労といった不快な症状にも関連している場合があります。 - 精神的な不調
集中力や記憶力の低下、イライラ、情緒不安定などの症状が現れることもあります。
■ビタミンB1を多く含む食品
ビタミンB1は水溶性で体内に蓄積されにくいため、毎日の食事から意識して摂ることが大切です。
- 穀物
玄米、胚芽米、全粒粉 - 肉類
豚肉(特にヒレ肉やモモ肉)、レバー - 魚介類
うなぎ - 豆類
大豆製品(納豆など) - その他
鶏卵、種実類
お肌と目を守る!ビタミンAの働きと不足のサイン
脂溶性ビタミンの一つであるビタミンAは、体のバリア機能を維持し、視覚を正常に保つために非常に重要な栄養素です。
■ビタミンAの主な働き
- 皮膚と粘膜の健康維持
主に皮膚や気道・消化器などの粘膜を健康な状態に保ち、ウイルスや細菌に対するバリア機能を強化します。 - 目の健康維持
網膜の働きに関わり、視覚を正常に保ちます。 - 抗酸化作用
体の酸化を防ぐ抗酸化ビタミンとしても働きます。 - 成長と分化
成長を促したり、細胞の正常な分化にも関与します。
■不足すると起こりやすい症状
ビタミンAが不足すると、バリア機能の低下や視覚機能の異常が起こりやすくなります。
- 皮膚・粘膜の異常:
- 皮膚や粘膜の乾燥や角質化
- 新しい皮膚が作られにくくなることによる肌荒れやしみ
- 粘膜のバリア機能低下による感染症(風邪など)を起こしやすくなる
- 視覚の異常:
- 暗い場所で物が見えにくくなる夜盲症
- 目の表面が乾燥するドライアイ
- 重度になると結膜・角膜の乾燥症につながることもあります。
■ビタミンAを多く含む食品
ビタミンA(レチノール)は主に動物性食品に、ビタミンAに体内で変換されるプロビタミンA(カロテノイド)は主に植物性食品に多く含まれます。
- 動物性食品(レチノール)
牛、豚、鶏などのレバー、うなぎ、卵黄、バター - 植物性食品(カロテノイド)
人参、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜、サツマイモ
まとめ:痛みや不調を感じたら、食生活を見直しましょう
特定のビタミンが不足すると、体の痛みや不調といったサインとなって現れることがあります。特に、現代人の食生活は加工食品やインスタント食品に偏りがちで、ビタミンB1などの水溶性ビタミンは不足しやすい傾向があります。
「ゆう助はりきゅう接骨院」では、痛みや不調の原因を根本から探るだけでなく、健康維持のための食生活や栄養面からのアドバイスも行っております。
もし、慢性的な疲労や肩こり、腰痛、目の疲れなどでお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。体の内外から健康をサポートいたします。



